ギャンブルを描写した有名絵画

昔から、画家の多くはインスピレーションを得てギャンブルをテーマにした作品を発表してきました。特にいわゆる風俗画と呼ばれる絵画には、人々の日常を描いたギャンブルの作品が多く見られます。このような芸術作品の核心は、人間の生き様の本質を捉えることです。絵画とは奥深い感情を描き出すもので、だからこそ画家にとってギャンブルとは格好の題材なのでしょう。ギャンブルをすると、高揚感から絶望のどん底にいたるまで、実に様々な感情がプレイヤーたちの中に湧き出るのです。

今回は、ギャンブルの最中に生まれる様々な感情を、きめ細かく表現した作品をご紹介します。

カラヴァッジョ – トランプ詐欺師

『トランプ詐欺師』というタイトルのこの有名絵画では、とあるギャンブルの模様を垣間見ることができます。高級な服を着飾った少年と、個性的な少年がトランプをしています。右側少年は背中にカードを隠しています。きっと彼が「トランプ詐欺師」なのでしょう。この作品の完成により、カラヴァッジョが画家人生で重要な節目を迎えたことでも知られています。カラヴァッジョがこの作品を完成させたのは、カヴァリエール・ジュゼッペ・チェザーリ・ダルピーノの工房を去った後の時期です。カラヴァッジョが、独立した画家として自分ひとりで初めて描いた作品です。

エドヴァルド・ムンク – モンテカルロのルーレットテーブルにて

ムンクは、絵画『叫び』の作者として芸術愛好家の間のみならず世界的に有名です。南フランスのニースに滞在していた間、ムンクは定期的にモンテカルロのカジノに通っていました。この環境に触発されて、ムンクは『モンテカルロのルーレットテーブルにて』を世に出したのです。この絵を描いている間に、ムンクは自分のスタイルを究めるため様々な画家の技法を学びました。

ポール・セザンヌ – カード遊びをする人々

「カード遊びをする人々」は5枚存在しています。どれも大きさや人数、遊んでいるゲームなどが違います。この5枚の絵画に登場するのは農民と思われる男たちで、どれも酒場でカードゲームをしています。この名作を完成させる前に、セザンヌは作品の完成度を高めるため無数のスケッチや肖像画を描いています。

カシアス・マーセラス・クーリッジ – ポーカーをする犬

ギャンブルを描いた最も有名な絵画といえば、おそらくこの作品でしょう。クーリッジはこの作品をアレンジした絵画を8枚描いています。本作は、無数の画家により模写されています。『ポーカーをする犬』のシリーズは当初、芸術性の低い作品とみる向きが多数でした。しかし、この作品に対する人気は凄まじいものがあり、発表当時から強い需要がありました。特にアメリカでは人気で、この絵がプリントされたマグカップなどをよく見かけます。また、映画やドラマなどでも時々登場しますが、パロディ要素として用いられることが多いです。

シェリー・ウィルカーソン – スロットマシン・クイーン

この絵画はおそらく、こちらのリストでは最も知名度の低い作品だと思われます。暗い背景に明るい色彩を使って描かれた作品で、スロットをプレイする女性がモデルです。実はあまり評判のかんばしい作品ではなかったようですが、ギャンブルにまつわる絵画としてここにご紹介しました。

ヤン・ステーン – 喧嘩するカードプレーヤー

この絵で描写されているのは、カードゲームを巡ってプレイヤーたちが大喧嘩をしている様子です。ギャンブルの勝ち負けを巡って大混乱に陥る人々の様子が、見事に表現されています。この絵の興味深い点は、上流階級に加えて様々な職業の人物たちが登場しているということです。物語性があり、1人ひとりを見ていてとても楽しいですね。

まとめ

ギャンブルも絵画も大好きという方なら、これらの作品を何倍も楽しく鑑賞できると思います。ギャンブルの絵画というグループでまとめましたが、どれも違った魅力があり、ギャンブルが数世紀にわたって世の中で営まれてきた証となっています。

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